屋上へ向かう階段を登ると…
『2ツ折リ厳禁』
と書かれたシュールな札があった。
面白い! やらいでか!
という衝動をこらえ、とても折り曲げられそうにない金属扉を開ける。
浩平「今日も夕焼けだな」
みさき「そっか、今日も夕焼けなんだね」
浩平「80点てとこだな」
みさき「高得点だね」
その時……
「みさきーーーーっ!」
先輩は右へ左へと踊るようにあたふた慌て始めた。
浩平「…先輩の事呼んでるみたいだけど」
みさき「気のせいだよっ!」
「みさきっ、どこよっ!」
浩平「間違いなく呼び声が聞こえるけど…またか?」
「出てきなさい!」
浩平「…またなのか?」
みさき「ぷ、プラズマだよっ!」
どんなプラズマだ…?
みさき「えっとえっと……」
みさき「私はいないって言ってね」
そう言って扉の反対側に隠れた。
ばんっ!
轟音と共に扉が開いた。
深山「今度こそここだと思ったけど、感が鈍ったかな」
冴えている。今度もである。
深山「あら? 浩平君じゃない。みさき見なかった?」
浩平「さっきまでここにいたけど、そこの排水パイプから逃げた」
深山「何言ってんの。こんな狭い所入れる訳ないじゃない」
浩平「俺もそう思ってた、だが、『ゴキゴキッ!』て肩の関節外してヘビみたいに『ニュルン』と入って行った」
深山「……凄い技身に着けたわね…」
浩平「俺もそう思う、凄く不気味だったぞ」
深山さんは、そのまま脱力して去って行った。
みさき「人を奇人変人大集合みたいに言わないでよ〜」
この可愛らしく、そして強い先輩と知り合い、こんな他愛のないやり取りができるようになっていた。
スイッチ(女子トイレ偏)
作:OLSON
原作:Tactics
物理の教師が公式を板書している。
かつかつと黒板にチョークが打ちつけられる音だけが響く中、俺はシャープペンを持つ手を止めたまま拳を握り締めていた。
硬い椅子の上に力を入れて座り、身体中に珠のような汗を浮かべ、身体の中から這い出そうとする『アレ』を必死に押さえようとしている。
全身が震え汗が流れ続ける。
教師「重力加速度が…」
今は6時間目。
今日は担任が病欠でHRはない。
教師「厚さ3ナノメートルのディラックの海が…」
だから授業が終われば、もう俺を阻む物はない。
…クックックッ。
…いつまでそうしてるつもりだい?
息を殺した笑い声が頭の中に響き渡った。
…無駄。
…無駄だ。
…無駄なんだよ。
…俺を押さえつける事なんてできやしない。
ほんの僅かでも気を抜けば『アレ』は理性という名の檻を破り、すぐにも飛び出してしまうだろう。
指の爪がシャーペンに食いこんだ。
負けるわけにはいかない。
…ククク、本当はお前だって気付いてるんだろう?
…もう限界にきてるってことを。
…もうこれ以上、我慢できないってことを。
…さあ、解き放て。
…自由にしてくれ。
…教室があの場所に、廊下があの場所になるだけだ。
…だったら苦しむだけ損じゃないか?
…なあ?
駄目だ。
駄目だ、駄目だ、駄目だ!
なんとしても『アレ』を自由にさせてはならない!
俺にできる、唯一の抵抗…それは、○○という名の檻に『アレ』を閉じ込めておくこと…
…そう、パンパンに膨れた、今にも破裂しそうな檻に…
教師「では動摩擦係数のμについては来週行う」
繭「みゅー?」
寝ぼけた繭に爆笑が起こるが、俺には苦笑する余裕もない。
放課後だ!
放課後はまだか!
放課後になれば俺が勝つ。
放課後だッ!
放課後はまだか!
ホウカゴだあッ!
ホウカゴおッ!
放課後ッ!
放課後!放課後!
放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!放課後!!
放課後はまだかあぁーッ!
6時間目終了のチャイムが鳴った、放課後だ!
教師がぱたんと出席簿を閉じて背中を向けた瞬間…
すでに荷物をしまっておいた鞄を引っ掴み立ちあがる。
俺は猛然とダッシュしてそのまま後ろのドアから外に出た。
そして、しかるべき場所で衝動を解き放つべく駆け出した。
長森「浩平っ! ちゃんと掃除しないと駄目だよっ!」
後ろから長森の声が聞こえるが無視する。今日は本当に急用なのだ。
俺は人通りのまばらな廊下をひた走る。
直線コースを一気に加速しながら必死で走る。
そして直線後のコーナー。
靴のグリップの限界すれすれの走りをしながら、スピードを殺さぬようアウトから攻める。
浩平(間に合った…)
そう思った。
そして角を曲がり、目的地を視界に収めた瞬間。
何かがごんっ! とぶつかってきて視界が突然暗くなり…
視界は暗いままだった。
………
……
…
闇
真っ暗闇だ。なぜだ?
気絶して夜になるまで放って置かれたのか? なんて薄情な!
しかし…夜でも月明かりで何か見えるだろうし非常口の表示だって有るはずだ。
闇
なぜ?
と、その時痛みが蘇ってきた。
浩平(高い声)「いてててて…あれ?」
声が変だ。耳が変になったのか、それとも放って置かれて風邪引いたか?
でも風邪で声が高くなるなんておかしい。
深山「ちょっと、みさき、大丈夫?」
深山さんがみさき先輩を呼ぶ声がする。近くにみさき先輩もいるのか?
浩平「深山さん、どうなってます? こんな真っ暗で大丈夫ですか?」
深山「深山さん…て、どうしたの? みさき?」
その声の後、肩に何かが触れた。
そして揺さぶられる。
先輩を呼びながら、なぜ俺が揺さぶられる?
長森「浩平、大丈夫? その人にちゃんと謝らないと駄目だよっ!」
浩平「長森か? 一体どうなってるんだ? 真っ暗で何も見えないぞ?」
長森「……?」
長森「…え?」
長森「えっと…ごめんなさい。誰…ですか?」
……!
浩平「誰って…」
背筋が凍った。
さっき俺の名前口にしたよな? なのになぜ…
もしかして…もう『盟約の日』が来たのか?
深山「大体真っ暗って、昨日今日見えなくなったわけじゃないでしょう?」
見えなくなったって…?
男「あの…済みません、大丈夫ですか?」
この男の声…どこかで聞いたような?
深山「ちょっと…浩平君も、なに他人行儀な事言ってんのよ?」
浩平「浩平君って、それは俺ですよ?」
深山「………」
深山「…成る程、人格が入れ替わったって言うギャグなのね。体張るのはいいけど、つまんないわよ?」
浩平&男「人格が入れ替わった!?」
浩平「って事は…俺、みさき先輩になってるんですか?」
男「私、浩平君になってるの?」
深山「演技は上手いけどつまんないって。滑ったギャグを意地張って続けても傷が深くなるだけよ?」
浩平&男「演技なんかしてないよ!」
深山「ちょっと…大丈夫? 頭…」
深山「あ…! 思いっきりぶつけてたわね…」
浩平&男「そうじゃなくって!」
………
……
…
今、俺達は空き教室にいる…らしい。
人目があるところでこの奇妙な会話を続けるのはまずいからだろう。
手探りで椅子を見つけ出し、座った。
う〜む…スカートって奴はスースーして落ち着かん…
腰に巻いた布の下はいきなりパンツだもんな…。
深山「非現実的だけど…確かにそう信じるしかないわね」
長森「そうだね…」
長森は俺になったみさき先輩と深山さんに自己紹介した。
誰も折原浩平と言う人間の事を忘れてはいなかった。
『盟約の日』がまだまだ先だと知って安心…は、できなかった。
深山「さっきから二人ともそわそわしてるけど、どうしたの?」
どうしたって…
俺には掃除をサボる正当な急用が…
そう言えば、俺がみさき先輩になってからも続いている下腹部の緊張感は…
……!
浩平&みさき「…トイレ?」
長森「は、早くしないと体に悪いよっ!」
深山「えーと…今は浩平君がみさきで、みさきが浩平君な訳だから…」
浩平「…俺が女子トイレ?」
みさき「…私が男子トイレ?」
長森「…って事になるね…」
深山「恥かしがってる場合じゃないでしょ! みさき、今は目が見えるから一人で大丈夫よね?」
みさき「う、うん、行ってくるよ。その…緊急事態だから気にしなくて…いいよ…」
浩平「わ、わかった。けど、その…」
みさき「…どうしたの?」
浩平「その…女の体でトイレ行った事なんてないから、どんな風にすればいいか分からなくて」
みさき「ふ、普通で…いいと思うよ?」
普通と言われても…
しかし、聞き直す間もなく、深山さんと長森に強引に秘密の花園へと引きずられて行った。
手を掴まれて驚いた時と段差につまづいた時は危機一髪であった。
長森「着いたよ。ここは個室の前、後は一人でできるよね?」
浩平「あ、ああ…」
手に扉の感触がある。後は男子トイレと同じだろう。
下腹部の圧迫感が猛烈な波となって襲いかかる。
浩平「お、おお…」
膀胱括約筋を大活躍させながら必死で手探りして便器の位置を確認する、洋式だった。
前のチャックを開けてブツを取り出そうとして…
………
無い。
チャックも、長年慣れ親しんだ突起も…。
…あ。俺、先輩と入れ替わったんだっけ。
えっと…俺は今、みさき先輩で女なんだから、座ってするんだよな…?
スカート履いてるから…
えっと…どうやって脱ぐんだ?
そんな趣味はないから目が見えてる時に履いた事も脱いだ事もなかった。
脱がした事もなかった。
長森は…脱がしたのはパンツか。
めくるの通り越してとんでもない事しちまったな…。
浩平「あ、捲くりゃいいのか」
スカートの中に両手を突っ込みパンツを下げる。
両手でスカートを持ちあげて腰を下ろし、括約筋を開放した。
肉棒の中を尿が通り抜ける感覚はなく、股間からいきなり液体がほとばしる感覚がした。
だが、溜まりに溜まった尿を一気に放出する快感は変わらなかった。
尿の勢いが弱まるのと共に、これまでこわばっていた体の緊張も緩み、心地よい虚脱感に身を任せる。
浩平「ふう、間に合った…」
尿が止まる。股間から生暖かい液体で濡れた感触が伝わってきた。
浩平「俺…本当に女になっちまったんだな…」
その時俺は気付いた。
俺は…パンツを下した…って言うか先輩のパンツ脱がした!?
済みません、先輩…まだ手も繋いでないのにとんでもない事を…
と、その時壁の向こうから俺(らしい)の声で悲鳴が聞こえた。
無理もない、中身は女の子だもんな…
んでもって、数年振りに目が見えるようになったばかりであんな物を見てしまったんだもんな…
でも先輩…俺の声で騒がないで下さい…変な噂が…
長森「浩平っ! 時間かかってるけど大丈夫?」
げ、長森…こんな所で俺の名前を呼ばないでくれ〜! 益々変な噂が…
早く出なくては! でも、今は女だから…拭かなきゃ駄目か?
………
浩平「痛っ!」
慌てて手探りで紙を探したのがまずかった。
ホルダーの金具で右手の指を切ってしまったようだ。
長森「浩平っ! どうしたの? 浩平っ!」
長森…頼むから俺の名前を連呼しないでくれ〜!
切った指は心臓の鼓動に合わせて痛みが脈打っている。
…が、見えないので出血の度合いは解らない。
…出血!?
もし、このまま元に戻れなくて、俺が生理になっちまったらどうすりゃいいんだ!?
保健体育やエロ本の質問コーナーで得た知識を総動員したが…
何がどうなって、どう処置すればいいのか? 具体的かつ実践的な事は今一つよく解らなかった。
どうやら、肝心な事は小学校の頃に男女別になった時に教えていたらしい。
生理用品の説明書きを読めば解るかもしれない…が、今は目が見えない。
誰かに読んで…貰う訳にもいかない。
大体、図が無いとよく解らん。
かと言って、誰かに手取り足取り腰取り教えて貰う訳にもいかない。
…そう言えば、目が見えない人への性教育ってどうやるんだ?
こう言う事は図がないとよく解らない。
かと言って、教師が小学生の子供に手取り足取り腰取り教えたら大問題だ。
大体それはもう犯罪である。
って、俺は何て失礼な事を…
余計な事だよな…
いや、性の知識だって大事だ。
特別扱いはいけないし、障害者の性をタブー視するなど持っての外だ。
大体今の俺は思いっきり当事者である。
だがしかし…う〜む…。
長森「浩平っ! 返事してよ!」
浩平「大丈夫だっつーの!」
そうだ。俺は今、女だから声だって女だ。
息潜めてる必要はなかったか。
とにかく早く出なくては! そう思い、急いで拭くと…
浩平「んっ…!」
強烈なくすぐったさと痛みを混ぜたような感覚が股間から背筋に電流のように駆け抜け、体が勝手に跳ね上がった。
真っ暗な視界にチカチカと火花が飛ぶ。
……
浩平「はふぅ…」
強張っていた体が弛緩する。
長森「浩平っ! 大丈夫? 気分悪いの?」
浩平「だぁっ! 聞き耳たてるな! 頼むからあっち行ってくれ!」
長森「あ、ご、ごめん!」
深山「そ、そりゃあ…恥ずかしいわよね.…」
足音が遠ざかってゆく。
浩平「…何だったんだ? さっきの…?」
ごくりとつばを飲み込み、恐る恐る股間に手を伸ばすと…
浩平「く…」
前ほどではないが強烈な刺激が走り、のけぞる。
まただ…一体何だ?
落ち着いてゆっくり触ると…股間に、尻から前の方に続く割れ目が入ったぷっくりとした膨らみを確認した。
これがヴァギナか。
さっきの感覚に似た刺激を堪えながら探ると、割れ目の中の尿が出てきた感覚があったあたりにイボのような突起を感じた。
その瞬間、またも強烈な刺激が走る。
浩平「くぅっ!」
脳裏に保健体育やエロ本の質問コーナーの図解が浮かび上がった。
俺が触ったのは…先輩の…クリトリスってやつか。
まずは胸から触って気分を盛り上げておくべきだったな…
血の染みは落ちないらしいので、ホルダーで切った右手ではなく左手を胸に当てる。
ふかっとした心地よい弾力。
軽くもんでみると、股間とは違った穏やかな刺激が走る。
円を描くようにこね回すうちに硬い突起に触れ、そこからも鋭い刺激が走った。
あ、乳首か。乳首って興奮するとほんとに硬くなるんだな…。
浩平「ぁは…ぁ……いぃ……
…って、違ーう!」
俺は先輩の体に何て事を!
お、落ち着け、落ち着け…
でも、尿が出る所はやっぱりあそこだから…?
…結論は一つだった。
…何度考え直しても同じ結論にたどり着いた。
そんな自分のスケベさに呆れた。
女の子って…おしっこして拭く度にこんな感覚に耐えてるんだろうか?
『んっ…』てならないようにする方法があるのか?
それとも(普通は)生まれた時からこうだから慣れっこなんだろうか?
女の子暦わずか数十分の俺には到底解らなかった。
しかし拭かない訳にはいかないので、時折襲いかかる『んっ…』を堪えながら拭いた。
きちんと拭けているか不安だが目が見えないから解らない。
だから念入りに拭かねばなるまい。
そう自分に言い訳をしていたのだが、いつの間にか刺激を与える事が目的になっている事に気付いた。
必死で理性を働かせ、静止しようとするのだが手が止まらない。
胸をもんでいるうちに体の中心からむずむずした感覚が広がり、体が火照ってきて収まらなくなっていた。
…欲情しているのか? 俺?
そういうことだ。障害があろうがなかろうが、性器が正常に機能していれば性欲があって当たり前だ。
しかし…女の子ってこんなに簡単に欲情しちまうのか?
それとも…目が見えないからオカズなんてなくって処理に事かいてて溜まってるのか?(かなり失礼)
いや、ただ単に俺自身がスケベなだけか?
そう言えば、手持ちのエロ本に飽きてしまった為ここ数日は処理していないから溜まっていた。
俺の体が溜まっているって事は、今ごろ先輩は……
……考えるのはよそう。
とにかく、自制してここを出よう。これ以上続けるのは先輩を犯すようなものだ。
そう思い、指を止めるが……。
火照りが更に激しくなった。
……ダメだ。
このままだと頭がどうにかなりそうだ。
もう、してしまう事を決意した俺は一旦深呼吸し、改めて胸に手を当てた。
制服と下着ごしに乳首を指先で転がす。
びりびりとした刺激が走る。
再び円を描くように乳房をこねる。
胸をはだけ、直につかみ、激しくもみしだきたい衝動に駆られるが自制する。
行為そのものは止められないくせに、ブラジャーの着け方が解らないのだからそんなことをしたら後で大変だ。等と考える理性は残っていたのだ。
ブラジャーがずれないように加減した刺激のもどかしさが更に欲情を煽る。
その時、股間から放尿する時のように液体がほとばしる感覚がした。
改めて股間に手を伸ばすと、ぬるりとした感触がした。
なにやら甘酸っぱい匂いがした。
…濡れちまった。
もう後には引けない。
音を立てないよう慎重に触る。
割れ目を指先でなぞる。
ぞくりとした感覚が背筋を強制的に収縮させる。
乳首をいじるようにクリトリスに指をそえる。
拭く時の強烈な感覚が再び駆け巡る。
改めて感じた強烈な感覚は、何かに似ていた。
…そうだ。亀頭を重点的にこするとこんな感じだった。
保健の教科書に載っていたが、男性器と女性器は胎児の段階ではある程度パーツが共通しているらしい。
卵巣と精巣等が共通するそうだ。
ヴァギナに相当する部分が玉袋、そして今いじっているクリトリスが亀頭に相当するらしい。
感覚が似ていて当然だが…こちらのほうがはるかに強烈だった。
爪が当たり、再び体が跳ね上がる。
思わず声が出そうになるのを必死で堪える。
声に出して快楽を逃がすことができず、行き場を無くした快楽が体内を暴れ回る。
音を立ててはいけないという思いが指の動きを抑制し、自らをじらす。
エロ漫画や小説の『あぁん…いじわるしないで』状態だ。
そのもどかしさが更に快楽となる。
そうしているうちに、どうにも体の中心が切なくなってきた。
自分にはなかったはずの器官を嫌でも意識した。
…入れて欲しいのか? 俺、男なのに。
…でも、入れて欲しい。
もう、止まらない。
クリトリスを嬲っていた指を割れ目に導く。
音が出ないようにゆっくりと、指の腹で前後に擦りながら奥へ奥へと沈めていく。
一気に突き入れてしまいたいが怖い。
怖いけど、欲しい。
ぐびりと喉が動いてつばを飲み込む。
意を決して指を立て、1本押し込んでみる。
浩平「くふぅ…っ」
体が前屈する。
女の指は直径1p程度のはずだ。だが、そのまま奥まで入れれば内臓の位置がずれてしまいそうなくらい大きく感じた。
指1本でこれなら、2本も3本も入れたら…ましてチ○ポなど入れたらどうなるのか想像もつかない。
って、俺、男だぞ! 男なんだぞ! そんな趣味ないぞ!
必死で想像を振り払う。
だが、一旦イメージしてしまったチ○ポの映像は脳裏を離れず、かつての俺の体についたチ○ポが今の俺の体を貫く光景が浮かぶ。
そして更なる欲情の高ぶりを感じた。
俺、男だぞ! 男なんだぞ!
そんな思いをあざ笑うかのように体は高みに上り詰めていく。
男と女では脳の構造も違うという。
だからだ。俺にそんな趣味はなくても脳が勝手に反応してるだけだ。
そう言い聞かせ、指を動かす。
体が跳ね上がる。
指はまるで独立した意思を持ったかのように俺の体内を蹂躙する。
そして頭の中は真っ白になって何も考えられなくなり……
浩平「ふぅ…っ!」
真っ暗な視界にカメラのフラッシュが連発されるように閃光がはじけた。
ガクガクとひざが震え、ビクン! と体が弓なりになる。
これまでの蹂躙の復讐をするかのように体内がうねり、指を締め付ける。
これが指ではなくチ○ポだったら精液を一滴残らず搾り取るかのように肉壁が脈打つ。
全身の力が抜け、後ろのごつごつした陶器のタンクに身を預けた。
そして、落下するような、浮かび上がるような、眠りに落ちるような、目覚めるような、矛盾した感覚が入り混じった奇妙な心地よさに翻弄されていた。
浩平「ふはぁ…ふはぁ…ふはぁ…」
…なんだ? 俺…イッてしまったのか…。
男の時と違って絶頂感が続く。更に刺激が欲しくなるが体がだるくて動かせない。
切なかった。
はじけた体を誰かの力強い腕で抱きしめて興奮を鎮めて欲しかった。
女だからだ…脳は女だからこう感じるんだ…。
心地よさが収まって頭が冷えると罪悪感がよみがえってきた。
先輩を犯してしまった…
済みません、先輩……
…とにかく今は彼女たちを心配させてはいけない。
早く出よう。
でも…拭かない訳にはいかないよな。濡れてたからな…。
だが、ここでまた欲情したら無限ループのサル状態である。
どうにか加減が身に付いたのか、あまり刺激を感じることもなく、刺激が走っても欲情することはなく拭き終えた。
やっぱり溜まってたのだろうか? 発散したから欲情はしないんだろうか?
まあ、とにかく出よう。
切った指も酷使したから血は止まっていないかも知れないので片手でパンツを上げた。
下腹部から股間を通って尻まで至る密着感は、初めて味わう感覚だった。
女物のパンツなんか履いて、はみ出していないか不安になった…
が、そもそも今の俺には、はみ出す物などない事に気付き苦笑した。
…匂いとか…大丈夫かな?
ちゃんと拭いたから匂いはしない…鼻がマヒしてるだけだろうか?
………
……
…
全員「はあ〜」
ちと寒いが俺達は屋上にいるようだ。
トイレで大騒ぎしてしまい、変な噂が立つかも知れない。
その上、今の俺達の奇妙なやり取りが人目についたら余計に薪をくべる事になりそうだ。
………
猛烈に空腹感がする。
カツカレー2、3皿は食べられそうだ。
普通(?)でもこうなのだから本当に腹が減ったらあれだけの食欲も頷ける。
色々有り過ぎて全員疲れ切っていた。
浩平「済みません先輩、色々とんでもない事して…」
…具体的なことは…少なくともこの状況では言えない。
みさき「仕方ないよ、…お、お互いさまだし、私も見えなくなったばかりの時は良く怪我したから」
お互いさま? って事は先輩もやっぱり…?
………!
いきなり誰かに腰のあたりをまさぐられた。
背筋がぞくりとして声も出せなかった。
痴漢に遭った女性が何も言えない理由が分かったような気がした。
…と、思ったら切った右手に暖かい感触がした。
そして傷口に何かが巻かれた、絆創膏か?
多分この体の持ち主であるみさき先輩が巻いてくれたんだろう。
優しいな.…先輩の手…って、自分の手か。
長森「これから、どうしよう?」
みさき「このままって訳には行かないよね…」
そうだよな…俺ん家はともかく、みさき先輩の家ではな…家族にどう説明した物か。
それに女の体でどう生きていけばいいのかさっぱり解らない。
下着の着け方とか身だしなみとか分からない事だらけだ。
体とか髪の毛はどう洗えばいいんだろう?
髪の毛まで石鹸でガシガシ洗ったらまずいだろうし、女の肌はデリケートだっていうからあかすりでこすったらやばいか?
大体、敏感な所はどうすりゃいい? 大事な所だから清潔にしなきゃまずいよなぁ…でもなぁ…
女って大変だな…?
そうだ! 俺は今、女なんだから女子更衣室も、銭湯の女湯も入り放題だ!
ラッキ〜! ふ…ふふふふふふふ…
…ってこの学校には更衣室はないか。
大体、目が見えないから意味ねぇ…。
とほほ…どうしたもんかなぁ…。
深山「ぶつかって入れ替わった訳だから又ぶつかってみたら?」
浩平「そんなマンガみたいに上手く行くかよ?」
みさき「今の状況だってマンガみたいなものだよ?」
浩平「そうだな…じゃ、試してみるか?」
みさき「うん、それじゃ、痛いけど我慢してね」
長森「なんかHだよ…」
そして何かが頭に『ごんっ!』とぶつかってきて…
………
……
…
光。
出会った思い出の場所である屋上。
そして…額に手を当ててうずくまる女の子。
浩平&みさき「あいたたた…」
浩平(低い声)「お、見える、見える! 成功だ!」
みさき(高い声)「あ、真っ暗だ、元に戻れたんだ」
思わず俺はみさき先輩を抱きしめていた。
可愛らしく、そして強い先輩。
何よりも見たいと思っていた、先輩の顔。
みさき「こ、浩平君…恥かしいよ…」
浩平「今、気付いたんだ、こうしてみさき先輩の顔を見られることがどれほど嬉しいかって、…綺麗だ、先輩…」
みさき「……」
深山「わぁ、浩平君だいた〜ん♪」
長森「あはは…あてられちゃうね〜」
みさき「……」
深山「…みさき、どうしたの?」
みさき「…何でもないよ、元に戻れて良かった」
浩平「……!」
自分の愚かさと思いやりのなさを心底後悔した。
数年振りにみさき先輩に光が戻ったのだ。
それなのに俺は、自分が元に戻る事ばかり考えて…
元に戻って…
いや、元に戻して…
暗闇の中に先輩を突き落として…
それなのに、こんなに喜んでいた。
浩平「俺って最低だ…」
罵ってくれていい、それだけの事をしてしまったんだ
みさき「気にしなくていいよ、元々浩平君の体なんだから」
みさき「ほんの一時だけでも、二度と見られない筈だった物を色々見られたんだもの」
みさき「それだけで充分幸せだよ」
みさき「それ以上望んだら…ばちが…当たる…よ…」
俺がみさき先輩の体でトイレに行くときは、猛烈な尿意で、それどころではなかったが…
冷静になったらとたんに恐くなった。
闇、闇、闇、真っ暗闇。
ドアを手探りするのも、空けて一歩踏み出す事も、踏み出した足が床に着くまでの時間も…
そして長森が手を握った瞬間も…
何もかもが恐かった。
動けなかった。
元に戻れた今はこれまで通りに全てを見られる。
しかし、元に戻れず、このまま闇が途切れる事がなくて、このままずっと闇をさまよう事になったら、俺はどうするんだろう?
…結論は一つだった。
…何度考え直しても同じ結論にたどり着いた。
そんな自分の弱さが嫌でならなかった。
先輩はどうだったんだろう?
みさき「浩平君?」
みさき「さっきからどうしたの? 何か考えこんでたみたいだけど?」
浩平「いや、な、何でもない」
長森「いつのまにか真っ暗だね、そろそろ帰ろうか」
まだ俺達は屋上にいた。
校舎に入り…
深山「足元が危ないから明かり点けましょ」
俺達はスイッチをオンにするだけで光を取り戻せる……だけど、先輩は…
いつまでもそのままの先輩は…
……スイッチ!?
浩平「そうだ! スイッチだ!」
3人娘「……?」
浩平「じっとして、痛いけど我慢して」
みさき「え? え? え?」
先輩の肩に手を添えて…
ごんっ!
………
……
…
浩平&みさき「あいたたた…」
暗闇
浩平(高い声)「…おっ、真っ暗だ、成功成功」
みさき(低い声)「見える…でも、どう言う事?」
浩平「ずっとこのままって訳にはいかないけどさ、時々交代してみない?」
みさき「交代って…いいの?」
浩平「いいよ、俺の目を使って色々な物を見てくれよ」
浩平「そうしておけば、自分のこの体に戻っても、これまでよりもっと色々な事ができるようになるんじゃないか?」
みさき「え? それって…」
みさき「でも…悪いよ、ただでさえ色々迷惑かけてるのに自分のハンデまで押し付けられないよ」
浩平「もし、本当にそう思ってるなら、俺…怒るぞ」
みさき「浩平君……」
浩平「俺、先輩の事好きだ! だから力になりたい。自分でそう望んだんだ、それなのに変に気なんか遣わないでくれ」
みさき「……見えないのって、本当に大変なんだよ? それでもいいの?」
浩平「覚悟してる。きっと、先輩みたいに乗り越えて見せる」
みさき「……辛いよ?」
浩平「くどいぞ」
みさき「………………私になってる時に、私の体に変なことしない? 約束できる?」
浩平「…………………………………………約束する」
『済みません、既にしてしまいました』…とは、口が裂けても言えない。
みさき「…今の間は?」
浩平「約束する」
みさき「ありがとう…」
そして、衝撃と暖かい感触。抱きしめられたようだ。
浩平「えっと…みさき先輩?」
嬉しい…ような気がするが、自分に抱きしめられてもなあ…。
浩平「…こう言う事は自分の体でやろうな」
みさき「そうだね……」
俺はここに残る。
先輩の目になるためにここに残る。
先輩は内臓を吐き出すような苦しみを乗り越えて、この世界を選んだんだ。
たとえ、『えいえん』に旅立っても…戻ってくる。
長森 瑞佳の日記
あれから浩平は変わった。
みさき先輩に体を貸している時も、本当に自分の体の時もずいぶんとしっかりとしている。
浩平には、ちゃんと面倒見てくれる人がいないと心配だと思っていたんだけど…
自分が誰かを支えるようになったら変わったみたい。
これで私も安心できるかな…。
でも少し寂しいかな…?
END
あとがき
浩平InみさきBody偏です。
2001 01/25に
来栖川DNMLホテル http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/9199/に投稿したDNMLをHTML化、更にH度大幅強化しました。
女物のパンツ………履いた事は無いですよ。
あくまも想像です。
想像だってば。
☆ コメント ☆
香里 :「あらら」(^ ^;
栞 :「入れ替わりですか。凄いです。まるで『転・校・生』みたいです」(^^)
香里 :「……なんでそんな古い映画のこと知ってるのよ? ひょっとして、年、誤魔化してる?
実はあたしよりも年上だったとか? 何気におばさん?」(−−;
栞 :「そんなわけありません!
お姉ちゃん、人を天野さんみたいに言わないで下さい。
失礼です!」凸(ーーメ
香里 :「あなたも相当に失礼なこと言ってると思うけど。
今のセリフ、あとで天野さんに教えておくわね」(−−;
栞 :「お、お姉ちゃん! 可愛い妹を売るつもりですか? そんなこと言う人嫌いです」(@@;
香里 :「自業自得でしょ」(−−)
栞 :「えぅ。あ、あの……その……えっと……。
そ、それにしましても、体が入れ替わっちゃうって凄いですよね。ね、ね」(^ ^;;;
香里 :「(露骨に話を逸らそうとしてるわね、やれやれ)
……そうね。確かに凄いと思うわ」(−−;
栞 :「わたしも一度でいいですから入れ替わってみたいです。もちろん祐一さんと。
そして……そして……ぐふふ」(*^^*)
香里 :「……また下らない事を考えてるわね。
ハァ。我が妹ながら本当に“バカ”なんだから」(−−;
栞 :「むっ。誰がバカですか!? お姉ちゃん、酷いです」(ーーメ
香里 :「事実でしょ」(−−)
栞 :「えぅ〜。お姉ちゃん、極悪人ですぅ。
そんな事言う人は……」(ーーメ
香里 :「嫌いです? ワンパターンね、栞」(−−;
栞 :「いいえ。お仕置きです」(ーーメ
香里 :「へ? お、お仕置き?」(@@;
栞 :「えーい! 十回連続絶頂責めの刑ですぅ! 泣いても許してあげないですぅ!」(ーーメ
香里 :「ちょ、ちょっと〜!
あーん、またこんなオチなの〜!? もういや〜〜〜っ!」(T△T)
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